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Circle hスタッフがお送りする体当たりコラムほか、お役立ち情報をお届けします。
まったく釣りをしない人にとっては、「釣りって何だか準備が面倒そう」というイメージがあるかも知れません。実際、本格的に釣りを始めるためには、竿や仕掛け、エサなどをはじめとして、いろいろなものが必要になってきます。そこで提案するのが、道具をほとんど使わない超簡単な釣り、名づけて「海岸で楽しむチョイ釣り」大作戦です!
記者がこのチョイ釣りを考案したのは、いまから5年ほど前。友人が海辺に建つ我が家に遊びに来たときのことです。彼は、「釣りには興味があるけど、全然経験がない!」というので、手っ取り早く魚を釣らせるためにチョイ釣りを教えてあげました。すると、目の前の海岸で、あっという間にムラソイという美味な魚を連発で釣り上げてしまったのです。これには彼も大喜び! 「オレって釣りの天才?」と自慢大会になってしまいました(笑)。
そう、初めての釣りで一番大切なことは、とにかく魚が簡単、かつ確実に釣れることなのです。しかも、それが食べておいしい魚なら申し分ありません。ここでご紹介するチョイ釣りは、そのすべての要素を満たしています。さっそく、そのノウハウを見ていきましょう!
チョイ釣りの舞台は、水深が20センチ前後のゴロタ場(サッカーボール~電子レンジぐらい大きさの石がゴロゴロしている海岸のこと)。足首ほどの浅場でも十分に釣れるので、無理して水深の深い場所を狙う必要はありません。浅場なら海に落ちても足が濡れるだけで済むし、釣りに飽きたらそのままジャブジャブと磯遊びを楽しんじゃいましょう!
この釣りに適した季節は、春~夏にかけて。この時期は日中に潮が大きく引くので、浅場を狙うチョイ釣りがやりやすいのです。天候的には、波が荒いと釣りにくいし、突然の大波が打ち寄せたりして危険でもあります。天気予報をチェックして、できるだけ風のない日に出かけてみましょう。
なお、安全のため(とくに子供は)、滑りにくい靴(マリンシューズなど)とライフジャケット(救命胴衣)を着用して楽しむことをお勧めします。
チョイ釣りで持参すればいい道具は、「ハリ」と「オモリ」だけです。
ハリの種類は、どこの釣具店でも入手しやすい「袖バリ」と呼ばれるタイプがいいでしょう。サイズ(ハリの大きさ)は7号か8号。長さ45センチ程度の糸(ハリスと呼ぶ)が結んであるパッケージを購入すると便利です。
オモリは、「ガン玉」と呼ばれる小粒状のタイプ。いろいろなサイズ(重さ)があるので、「3B」か「4B」と呼ばれるサイズを入手しましょう。
チョイ釣りのコンセプトの一つは、できるだけお金を使わないこと。なので、使う竿は現地調達が基本です。海岸に到着したら、さっそく手頃な竿を探してみましょう!
海岸によく流れ着いているのは竹の棒ですが、長さが1メートル程度、太さが直径1センチぐらいのものなら十分に竿になります。先端側がさらに細くなっている竹が見つかれば最高です。
釣りのエサ選びで一番大切なのは、「魚が食べたがっているエサ」を使うこと。当然、釣り場で採集できるエサは、魚も普段から食べ慣れているので、最高のごちそうになります。チョイ釣りでも、ゴロタ石をひっくり返して見つけられる貝の身を使ってみましょう。エサを自分で探すことによって、魚が普段どんなエサをどんなエリアで捕食しているのかも分かってくるものです。
貝の種類は、小粒の巻き貝がお勧めです。また、意外と使えるのがヤドカリ。ようするに、漁業権に抵触しない小さな雑貝が最高のエサというわけです。貝をハリに付けるときは、石で貝殻を軽くたたきつぶして、割れた殻ごと身をハリに刺します。
コツ1【足元の浅場を狙う】
コツ2【魚が隠れている石の陰にエサを落とす】
コツ3反応があったら、素早く竿を立てる】
魚をおいしく食べるためには「鮮度」が重要。釣れた魚は、保温できる容器(クーラーボックスや発泡スチロールの箱など)に氷とともに入れて、できるだけ冷やした状態で持ち帰るといいでしょう。
なお、ムラソイやカサゴは成長が遅い魚なので、小さな個体や食べない魚は逃がしてあげるのがマナーです。将来、もっと大きく成長してからの再会を楽しみにしましょう!
さあ、チョイ釣り大作戦のノウハウはいかがでしたか? 海遊びのついでに楽しむのもいいし、海岸でバーベキューしながらチャレンジするのもいいでしょう。チョイ釣りをオススメする理由は、こうした気楽さが一番ですが、もう一つ大切な理由があります。
それは、このチョイ釣りの体験によって、魚が普段「どんなエサ」を「どんなエリア」で「どうやって捕食しているのか」が分かってくることです。すなわち、釣りで一番重要な「観察力」が自然と身に付いてくるのです。ジャバジャバと海に浸って、微妙な水流の変化や温度の変化を肌で直接感じるだけでも、釣りが上達するための貴重な体験になります。また、ゴロタ海岸を転ばないように歩けば、子供にとっては身体の発育にプラスになるだろうし、大人にとっては日頃の運動不足解消にもなるでしょう。
そう、だれもが気軽に試せるチョイ釣りには、釣りの楽しみだけでなく、さまざまなメリットが凝縮されているのです!