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Circle hの特集

2018.03.07


夢の焚き火台、商品化なるか!?
職人との熱いコラボによる
試作品プロジェクト!
~小雀陣二が20年間追い求めたこだわりの焚き火台 第3回~

ワタシを双葉工業へ連れてって♪

2018年1月某日。

Circle hメンバーと小雀さんは、新潟県燕三条駅に飛んでいました。なぜここに居るかって?それはもちろん、「夢の焚き火台」のためですよ!廣瀬さんが背負っているリュックの中には、みんなで作った焚き火台「小雀号」と大きな夢が入っています!

さて、もうおわかりでしょうか?実は我らが焚き火台「小雀号」を、商品化しちゃおうかと企んでいるのでございますよ。今日は依頼していた試作品が完成したということで、ここ三条市にある金属製造メーカーへお邪魔します。商品会議も同時開催しちゃいますよー!!

廣瀬さん:「ついにここまで来ましたね…!なんだかドキドキする。」

小雀さん:「今日お邪魔する『双葉工業』さんは、前からお世話になっているしよく知っているので、大きな力になってくれるはず。試作品、どんな感じに仕上がってますかね?すごく楽しみだ!」

そうなんです、実は自作の小雀号をベースに、双葉さんへすでに依頼をしていたんです。三条市は、古くからの金属加工技術の集積地としていまや世界的に有名な場所。ちなみによく耳にする「燕三条」ですが、燕市と三条市は別なんですよ。知ってましたか?

さあ、いよいよ双葉工業さんへ潜入!

わあ、すごく立派な工場!東京ドーム何個分でしょうか?なんて冗談はさておき、出迎えてくれたのは営業部の外山佳宏さん。初めまして!イケメンさんですね!今日はよろしくお願いします!

双葉工業さんは、昭和38年に創業。金属製品の総合メーカーとして自社開発技術を活かしたフライパンをはじめ、ステンレスや鉄、チタンなどを使った金属製品全般をこだわりの技術で作り続けています。

プロとプロの顔合わせ&打ち合わせ。ちょっと緊張する…。

メンバー
アウトドアコーディネーター小雀陣二
双葉工業 営業部:外山佳宏
荒澤金型製作所 代表取締役:荒澤正勝
ホンダアクセス 商品企画部「Circle h」運営担当:片山 貴王、廣瀬 沙由里、藤巻 愛実

ステンレス鍋を作る際には、その製品ごとに専用の金型が必要になります。そこで金型部門の見解をお聞きするため荒澤さんにも同席していただきました。

会議室に入った瞬間、目に飛び込んできたのは美しく輝く焚き火台!

一同どよめく:「おおーーーー!すごい!キレイ!!」

目の前にはびっくりするほど完成度の高い試作品が!もう「世界で一番美しいのはだあれ?」とかカガミの精に尋ねたくなるくらいピッカピカ!

片山さん興奮気味に:「え?これって磨いたからこんなにピカピカなんですか!?」
金型のベテラン荒澤さん:「いえ、これは特に磨いてはいないです。ステンレス本来の色ですね。」
片山さん、またしても天然発言さく裂。

そうそう、燕三条金物の特長のひとつと言えば研磨技術の高さ。でも、キレイに磨くとなるとまたさらに手間も時間もコストもかかる…。その話はまたのちほど詳しく。

小雀さん:「空気孔の数も完璧!素晴らしいです!」

外山さん:「レーザーを使いました。硬いステンレスは、レーザーで切るとやはりキレイにできますね。切断面がすごくなめらかでしょう?」

「ハイ!これぞ最先端技術!って感じですね。」

というセリフとともに一同いきなり魂が抜けるほど脱力:
「電動ドリルであんなにめちゃめちゃ苦労して手開けした穴も、レーザーにかかれば一発なんだあ…。」

なんだか自分たちで作ったものと比べると、全く別次元のものみたい。同じサイズのステンレスダッチオーブンで、同じように作ったはずなのに。当たり前だけど、これこそが素人と職人の差なんですよね。

上下のダッチオーブン同士の回転もとてもスムーズ! ほらほら、空気孔もこうすればきちんと開閉できます!なんだかもう、すでにパーフェクトな出来じゃないですか?

小雀さん: 「すごい感激!僕のわがままから、こんな素晴らしいものが出来上がるなんて…!」

 

小雀さんが、焚き火台の空気孔ごしに覗く先。そこにはきっとアラスカの壮大な原野で焚き火をする自分の姿が見えていたはず。この設計には夢と希望とロマンが詰まりまくっていますからね!

さあ、ここから企画サイドと製造サイドの熱すぎるブレインストーミングがスタート!

北軽井沢スウィートグラスでの点火式で導き出した改善点のひとつ:

12インチとか、もっと大きいサイズにできないものか?

双葉工業さんの製品ラインナップにあるステンレス製ダッチオーブンは金型は10インチサイズのみ。このお題は難しいことがわかりました。

小雀さんの希望としては
「消費者目線やニーズ、製品が持つ品質の高さを考えると、販売価格は4万円台くらいがふさわしいと思うんだ。だから極力コストは抑えたいよね。」
メンバー:「鍋自体の厚みをもう少し薄くしてみてはどう?」
外山さん:「厚みを薄くすると、強度も下がり変形するかもしれません。とりわけ、鍋の底径を大きくすると、変形する可能性はより高くなります。」
小雀さん:「たしかにそれだとガツガツ火を入れづらくなりますね…」 なるほど…プロのご指摘ならば、これはあきらめましょう。

小雀さん:「つくづく贅沢なおもちゃですね、これ。」
会議中、小雀さんがつぶやきました。ですよね。大人が本気で考える、ある意味究極のおもちゃかもしれません。

さて、次は一番白熱したお題。

鍋を回転させて空気孔を調節するためのハンドル(取っ手)を本体に取り付けたい。

小雀さん:「ワイヤーを本体に溶接して簡易的なハンドルにしてみる?針金くらい細いやつでもかまわないけど。」
外山さん:「細いワイヤータイプだと強度が足りないかもしれません。」
片山さん:「じゃあ、本体に穴を開けてみたら?」
小雀さん:「手袋をした指に穴が引っかからないし、火消しにも影響がでちゃうよ。」
廣瀬さん:「ちょっとでも引っ掛かりがあればいいんでしょ?絵心ないけどこんな感じ?」
おもむろに味のあるタッチの絵で説明しはじめる廣瀬さん。そこにすかさず荒澤さんが「それはつまりこういうことですよね?」とプロのタッチで図解。わあ、さすがわかりやすい!一同思わず感嘆の声。

しかしこの案だと、新たにハンドルの金型が必要になります。

小雀さん:「あからさまにハンドルが出っ張ると、邪魔になりますね。収納時にスタッキングする時にも干渉しそうだし、あくまでも作りたいのはダッチオーブンの焚き火台。ハンドルが主張すべきではないですね。」

一同しばし悩み、誰かがボソッつぶやきました。
「ハンドルをつけると、なんか途端に『鍋』になっちゃいますね。」
一同:「ほ、本当だ…!」

そうだよ、鍋の形からせっかく焚き火台へ進化させようとしている最中なのにまた鍋に逆戻りしてどうする!?

この影響力ある一言で流れは一気に変わり、我々は原点に立ち戻ることができました。

小雀さん:「そう、鍋として考えちゃうからいけないんだよね。ハンドルは鍋を回す時か移動するときだけに必要なものだし、それなら熱を通さない優秀な手袋の力を借りることにするか…
よし!もっと違う部分を手厚くしたいからハンドルはあきらめましょう!」

さようならハンドル案。約40分間、熱闘議論の末の結果でした。ね?商品企画開発会議って本当に大変なんです。なんだか脳に糖のエネルギーが足りなくなってきたよ…。

次のお題は

北軽井沢の点火式でその存在が大きかった「台座」。

地面の保護のためにも必要不可欠。下鍋で焼き芋などの調理をする場合、温度を下げにくくするためにも脚が付いた台座が欲しいところ。収納ケースへの入れやすさを考えると台座は丸い形状のほうが良く、上に乗せる焚き火台が決して軽いものではないのでその耐荷重も検討課題になってきます。

小雀さん:「僕もちょっと心当たりがあるので動いてみます。」
小雀さんの知り合いのショップから脚付きのちょうどよい形状の既存品を割り当ててもらえるか聞いてみることに。さすが、あちこち顔の利く、困ったときの小雀師匠!

フタの活用法について。

お気づきでしょうか?すでに天面の取っ手がありません。試作品を双葉工業さんに依頼した際に、最初から取っ手なしで作ってもらっていたのです。

小雀さん:「焚き火の上に網をのせ、その上にフタを置けばフタが鉄板に早変わり。肉とかも焼けちゃう!フタは取っ手なしの方がダンゼン使い勝手がいいんです。」

え、いつの間にそんなアイディアを…?本当に無駄の一切ない設計です、さすが小雀号!

とことん納得のいく最高の物を世に出すために会議は続きます。

焚き火台を収納する専用ケースはどうしよう?

小雀さん:「できれば一緒に作ってオールインワンで紹介する、っていうのがスマートだよね。」
こちらも要検討とあいなりました。

ところで…外山さんの後ろに掲げられた「プロフェッショナルきっと心得帖」(著書引用文)、すごく素敵ですね。

「人生は想ったとおりになる。想ったとおりにならないのは、まだ想い方が足らないからだ。」

おっしゃる通りです!この焚き火台も、想いが強ければちゃんと日の目を見る時がきっとくるはず!ただただ信じましょう、そして進みましょう!

小雀さん思わず吐露:「外山さんほんとすみません、僕と出会っちゃったばっかりに、こんな無茶なこと…。」

外山さん:「いえいえ、鍋に穴を開けるなんて珍しい機会、まずないことだし。会社としても面白がっているので…うちはいただいた設計図通りに試作品を作った、ということで(笑)。ここ数年は、小雀さんを通じてアウトドアブランドさんとつながることができて、キャンプ用品の製造にも着手しているのでお役に立てればうれしい限りです。」

癒しの笑顔でなんてありがたい言葉をくださるのでしょう!外山さんはとても頼りになる、双葉工業の若き営業ヒーローです。

廣瀬さん:「商品化するなら、商品ロゴの刻印とか入れます?」
外山さん:「それもプレスにするかレーザーを使うかで、コストが違ってきます。」
片山さん:「商品ロゴも全体のコストを見て余裕があれば判断しようかと…」
総ツッコミ:「余裕なんてあるわけないじゃん!」
これは立派な戦いですね(滝汗)

外山さん:「製造ロットが少ない場合はレーザー刻印のほうが安価な場合があります。大量ロットであればプレスによる刻印がおすすめですね。」
「やっぱり入れるなら『Circle h』かなあ?」
「いや『雀家』でしょ!」
「いっそのこと『陣二~JINJI~』とかっ?」
ノンキな議論がしばらく続きます。

ハイハイ、収集がつかなくなるのでロゴ問題はまたあとで!

ここでひと息。外山さんのご厚意で双葉工業さんの工場内を見せていただけることに。
題して「いい大人の工場見学ツアー」!

PM我々は、機器類の地響きが唸る「金属加工の聖地」へと足を踏み入れた!

おお!この光景、日本の匠の技を紹介する番組とかで見たことあるぞ!…などと若干ミーハーな感想を抱きつつ、工場内へとお邪魔しました。双葉工業の匠の皆さんが、真剣な表情で作業していらっしゃいます…!なんだかキュッと身が引き締まる思い。

外山さん:「そもそもステンレスダッチオーブンは板が厚いうえ底が深いので、『スピニング』と言う加工方法で少しずつ形を整えていきます。なので、本体をひとつ作るのにもかなりの時間がかかってしまいます。時間も手間もかかるダッチオーブンは、職人の確かな腕と勘がないと作れないんですよ。」

なるほど…そんな風に手間をかけて作られていることを知れば、ダッチオーブンの価格が安くないのも当たり前と大納得してしまいます。アウトドア用品店で「高い」とぼやくの、もうやめます。ごめんなさい。

金属の板をカットする人、プレス機械で形を作る人、取っ手用の穴を開ける人…それぞれの持ち場を、鮮やかな手つきでこなす匠のみなさん。プレスされた板が型通りにポコポコとカタチになってできあがるたび、「おー!」と子供のように歓声をあげるメンバー一同。いやもうホント、どの工程も見ているだけですごくかっこよくて爽快なんです…!

そうかと思うと、この道60年のベテランが独り、まるで鍋と語り合うように黙々とバリ取りをかけているシーンも。バリ取り作業は、金属製品を作るうえでモノの良し悪しを決める最終工程なだけに、改めて張り詰めた緊張感が伝わってきます。こんな風に、クオリティーの高い手仕事のひとつひとつが一生モノの製品を生みだすのですね。なお、今回作るダッチオーブンの焚き火台には燕三条独特の研磨技術は用いません。直火ですぐに真黒くなってしまいますから…。

双葉工業の工場内をくまなく見回りながら熟練の技と豊富な経験で作り出される製品たちを見ていると、器や鍋として役目を全うするという生命感を強く感じました。

廣瀬さん:「私たち、普通じゃないよね…。ここまで良くできた鍋にわざわざ穴を開けるってナニゴトよ?」

小雀さん:「た…確かにね(笑)」
いまさら感満載の発言だけど、その通りです。私たちの望む焚き火台は、こうした匠の技術によって作られた一生モノ鍋に、わざわざ穴を開けるというかなり無茶な注文から生み出されています。改めて、そのありがたさに頭が下がる思い…。小雀さんのまなざしも、終始真剣そのものでした。

新たな気持ちで会議室に戻り、最終確認。

「ますます愛おしさが増してきたよ…。」小雀さんが焚き火台を見つめる目つきも、すっかり親のそれに。一方、製造過程を目の当たりにしたからなのか「理想を追うのも良いけれど、もっと現実を見据える冷静な判断も必要だ」とメンバー全員が心から感じていました。今まで遊んでいるように見えたでしょ?でも我々はつねに大真面目に考えているのですよ。今夜は何を食べようか?とか。

熱すぎる会議を終え、今後の課題がたくさん見えてきました。とにかくパーフェクトなモノを作り上げてきちんと売らないと、せっかく高い技術を提供してくれる双葉さんに申し訳なさすぎる。決めるべきこと、判断すべきことは山積みだけど、ここまで来たらもう引き下がることはできません!ホワイトボードに確認点や改善点などを書き出し、すべてをクリアにしたのちに改めて制作をお願いする運びとなりました。ここからが本当の正念場です。

小雀さん:「こうすると運びやすいし安定するなあ。新たな発見だ。」
廣瀬さん:「なんだかそのまま飛べそうだし、どこかの民族楽器にも見えるよ?」
匠の技の粋を集めた逸品への愛が高まりすぎたのか、にわかに焚き火台漫才が始まりました。仲イイですね、ふたりとも。

最後に、外山さんもまじえて決意の記念写真を撮ろうと屋外へ出るメンバー一同。そこには、衝撃の光景が!雪が降っているのにも関わらず空にはうっすら太陽がのぼり、振り向くと先ほどまで議論をしていた会議室のある建物の屋根から湯気がもうもうと!建物周りの雪もすっかり溶け、地面には花さえ咲いているではありませんか!

我々の熱い会議が、雪を溶かし春を連れてきたのか?いや、絶対そうに違いない!春の神様と太陽神をも突き動かしたプロジェクトの行く末は、明るいに決まってるのだーー!!

さあ、夢の具現化は、果たして成功するか!?

一日の話し合いを終え、我々の心に新たな火が灯りました。
「最高の焚き火台を、世にお送り出したい。そしてこの焚き火台の素晴らしさをみんなと分かち合いたい!」という意志を持った決して消えない炎が…!

双葉工業さん、本当にありがとうございました。
これからもどうぞよろしく付き合いください。

果たして、商品化の夢は無事にかなうのでしょうか?今後の展開にご注目を!そして私たちCircle hメンバーと小雀さんに、皆様の惜しみない声援をお願いします!

取材・撮影協力:双葉工業株式会社
http://www.futaba-inc.jp/

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